禁断症状を経験する

この一週間は、緊張の連続だった。

日曜日の夜に Mの父親が転倒し、月曜日に救急車を呼んで病院に行き、肋骨全治4週間の怪我だとわかったことで、
ふだんから父親に依存してきたMはショックを受けてしまったようで・・・

火曜日の午後、頭を抱えて 将来に対する不安 恐ろしいほどの孤独感を訴えていたのが、夜になり
「僕は これから1週間かけて 自分の今までの人生のまとめをしなくちゃいけない。」
と言い出し、その後、何も食べなくなってしまった。
口数も減り、じっと考え込むようになってしまった。
夜も眠れないと言い、火曜日の午前を最後に、デイケアにも行かなかった。

気がつくと 4日ほど薬を飲んでいなかったけれど、
それは 自分の意思で決めて そうしているようだったので、私は Mの意思を尊重し 目を離さず見守ることにした。

けれども、向精神薬には 麻薬のような中毒性がある。
そのことを 私は知ってはいたけれど、
十数年も多量に飲み続けた後にそれを中断すると、どれほどの禁断症状があるのか、今回は思い知らされたような気がする。

手の震え、
極端な怯えの感情、怒り、異常な感覚の鋭さ、注意力散漫、会話ができない、
緊張から来ると思われる不眠、食欲不振・・・
Mは この3~4日間、本当に苦しんでいた。

主人と私が聖書を読んだり祈っていると 傍に座って耳を傾け、
自分でも 時おり「イエスさま」と 呼び求めている。
けれども、苦しみの方が大きいようだった。
昨日は、仕事から帰ってみると ゴミ箱が一つ 破壊されてあった。
百均で売っているようなものなので 思わず
「高い物を壊すのはやめてね。」
と言ってしまったけど(笑)

Mを見ながら私は、
(どうして もっと早い時期に 薬を減らしてやれなかったのだろう。)
と 苦い思いにかられそうになってしまった。
私にはいつも 向精神薬への疑問があり 葛藤があったけれど、薬の適正な量や副作用について 主治医と話し合いたくても、親権者である主人に全くその意思が無いので、どうすることもできないまま 今日まで来てしまったのだ。

昼頃、Mは妹に電話をかけ、「元気でいてね。」と言われたことが よほど嬉しかったのか、私の所にまで来て「イライラしてごめん。」と 謝ってくれた。
その時に 話し合い、薬はもちろん飲まない方が良いのだけど、急にやめると禁断症状で苦しむことになることを説明し、とりあえず1日4回のうち 2回だけは飲み続けることにした。

そして、夕薬を飲んでから Mは、今日は 久しぶりに ぐっすりと眠れている。
何日間か眠れていなかったので、よほど疲れていたのだろう。
いびきをかいている。
とりあえず 良かった・・・。